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ミーコワールド

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鬼が出る



   [鬼が出る]

大阪の町をブラブラと歩いてみた。

だれもが何事もないような顔で歩いている。

それぞれに何があっても、なかったかのごとく知らん振りして歩いている。

言っても仕方がないから?

はたしてそうだろうか? とフト思う事がある。

言わないと分かってくれない人がいる。

言えば言うほど面白がってからかう人もいる。

それでも誰も助けてはくれない。

自分の口で「嫌だ」と言うしかない。

言えばいう程面白がる人がいる。

その内どちらから仕掛けたのかわからなくなる。

落ち込んだ方の負けである。

どうして生きる事に勝ち負けが必要なのか。

みんな同じように出来ていればそれでいいではないか。

「勝たなければ」「勝たなければ」

一体何に勝たなければならないのか。

負けたっていいじゃないか。

負ける人がいるから勝つ人ができる。

何かの目的に向かっている時には競争をする。

競争には「決められた」ルールがある場合もあれば

「暗黙」というルールもある。

決められたもので、ハッキリと目で確かめられるものでないと

ルールとして認めない人がいる。

今の時代、殆んどが書いたものしか認めない。

ならば暗黙のルールってなんだろうと考えてみた。

「常識的に考えてこれでいいだろう」

「今迄これでやっていたのだから」

「少々不公平かもしれないがまあいいだろう」というように

習慣化しているようなものや、

年長者に判断を任せてクレームをつけないものもある。

しかし、昨今の世の中を見ていると全て杓子定規で計ったような判断でないと

引き下がらない人が多い。

ささいな事を根に持って、それも長年根に持つ人がいる。

その結果、人がギスギスしてきて人の輪が崩れていく。

大きな事件も最初はほんのささいな事が多い。

会社を倒産させた人の中には果たしてどこ迄がその人の責任であろうか

と思う事がある。

「貧すれば貪す」という言葉がある。

「山よりでっかい猪は出ん」と言った人がいるがすばらしい言葉だと感心した。

しかし、貧(ひん)して貪(どん)した時に「山よりでっかい猪は出ん」かも

知れないが「鬼が出る」のは間違いない。

困り果てている人に向かって

「どうしてくれる」

「エエーッ どうしてくれる」と迫ってみたり、お願いしてもニベもなく

「知りません」「いや、関係ありません」と平然として言うのである。

日頃の生き方がモロに出る。

冷酷無情に顔色一つ変えないで言う人のなんと多い事か。

仕事面でどうにもしてやれなくても優しい言葉のひとつくらいは

かけてやる事ができるのではあるまいか。

しかしそういう冷酷無情な人は日頃案外落ち着いていて

紳士や淑女に見えるのは不思議である。

そして何事もない時はにこやかで透明感さえある。

あまり喜怒哀楽を表さないのか、それとも喜怒哀楽には無縁の人なのか。

しかし淡々と生きているのに人の知らない所で自分を磨き、

人のお世話をしている人は同じように落ち着いていても

笑った時の表情が違うのは確かだ。

そして決定的に違うのは喜怒哀楽に無縁のような人は

肩書きを多さん持っていて誰が見ても「長」である事が判るのである。

淡々と生きている人は他人から聞いて始めて

「実はとても立派な人」とわかるだけである。

心に鬼を飼っている人は仮面を被って肩書きで飾り立て、

スマートな甲冑を着ているのかも知れない。

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